2018.04.24 15:00チェロの赤ちゃん机の引き出しの中からClarefontaineの小さなメモ帳が出てきて、そこに乱れた字でちょっとした日記のようなことがいろいろ書いてあった。昨日の夜、見つけた。そこに私のチェロとの最初の出会いがメモしてあった。 ***4月19日 PM1:00 1992.04.21上の4/19(日)に吉祥寺のサンロードのはずれで、チェロのレッスンを1:00-2:00にうけた。それからすごくよい感じになってしまった。 1年に1回あるかないかのストイックな感じ。今日のお昼は、とろろそばだけでよかった。こういうよいときには私は食べものへの関心がなくなる。シルクスクリーンのときはのざわなとごはんだけだった。ザ・バンドのラストワルツをみたあとも、一晩あけても...
2018.04.11 15:00オディロン・ルドン Odilon Redon丸の内の美術館でやっているルドン展におととい行って、昨日も今日もルドンのことを想っています。 オディロン・ルドン(1840-1916)。ちゃんと見たのは初めてだったかもしれません。 最初の部屋で風景画のようなものに彩色されている、その色がすごくきれいだと驚きを感じながら、これはいいかもしれないと思いました。やっぱり、絵は本当のものを、実際に空気を介して見ないとだめだと思いました。画集や写真やパソコンのディスプレイを介したものでは、色はわからないのです。現実と写真が違う以上に、絵画をその場で見るのと印刷されたものや画面で見るのとでは違うように思います。その理由はわかりません。どんなに精巧な印刷技術をもってもダメなのかどうかわからない。ただ、色彩...
2018.04.08 15:00ボージャングルを待ちながら En attendant Bojangles「ゴドーを待ちながら」というサミュエル・ベケットの作品を大学のころ授業で読んで、内容はほとんど印象に残っていないのだけど、この題名がとても気に入っていました。たぶん私が「待つ」ということが多い性格で(そしてこの性質が引き起こした人生を思い)、なんとなくそれがフィーチャーされた満足感があったせいか、その後もこの題名には好印象を持ち続けています。フランス語で”En attendant Godot”というのですが、この「アナタンダン」という音の感じがいいですね。そして、英語で言う「~ing」なので、待ちながら何をしているのかという主文が無い、そういう扱いもいいなと思うんです。 それで、図書館で見たFIGAROの書評で、この新しく出たらしいフランス...
2018.03.29 04:53家具売り場こどものころから家具売り場が好きだった。デパートに行くと、家具売り場のフロアで父や母に「見てもいい?」と言って、お部屋のようになっている展示をひとつひとつ入念に見て歩いた。親は後ろから「はい、もういいでしょ?何がいいのかね。おかしいねぇ。」と言っていた。家が団地で狭かったから、展示は現実には起こりえない夢の世界で、そういう憧れで見ていたのか。そうとも言えるし、もともとこどものころから「うそこ」がすごく好きだった。遊ぶ時も、「あのさー、これはうそこのほんとね!」と友達と言い合いながら、超ハイになっていった。なぜか今もその傾向は強い。 だから家具売り場もさることながら、舞台セットとかも好き。そう、特に横切りの家が好き。横切りの家というのは、壁が無...
2017.12.20 15:00単色のリズム 韓国の抽象昨日初台のオペラシティに行きました。昨日の目的地はホールでも近江楽堂でもなく、アートギャラリーでした。そこで展示されていたのは韓国の何人かの抽象画家の作品です。 大きなキャンバスにほとんどモノクロームで描かれた作品や、和紙のような韓紙を使った平面作品などです。マーク・ロスコ―が好きなのですが、そっち系統のものです。
2017.11.02 15:00「動くな、死ね、甦れ!」映画を観た後ってこうだっただろうか。久しぶりなのでどうだったか思い出せないけど、とにかくこの映画を観て1週間くらい経った今、やっと呪縛が解けてきた。 アマゾンビデオとか、大きな画面のテレビとかできて、映画はずいぶん身近になったはずだけど、映画館で見る映画のこのような放心状態というか、体の中まで入ってくる感覚というか、そういう体験こそが映画を観るというのであれば、ずいぶん長い間私は映画を観ていなかったことになる。ずっと彼らのことを思っていた。ワレルカ、そしてガリーヤのこと。 それはちょうどとてもインパクトのある人と会った後のようなとてもリアルな感覚だ。映画を観た当日は家に帰ってもついさきほどまで一緒にいたのだという感じに包まれ、そしてその後数日...