<7日間ブックカバーチャレンジ>
たぶんこのブックカバーではないかと思います。出版社は岩波書店。学校推薦図書みたいな金色の丸いシールが貼ってあったように記憶しています。もっと言うと箱に入っていたと思います。最近見かけないけど、ハードカバーの本は箱に入ってましたよね。
小学校くらいのときにどなたかに贈られました。
実はそのいただいたときは、そんなに気に入らなかったように思います。ちょっと読んだけどつまらなくて最後までいかなかった。
今、手元で内容が確認できるのは、1996年(今からもう25年くらい前になるのですね)のクリスマスに友達から送ってもらったフランス語のLe Petit Princeしかないのですが、ちょっと目を通してみました。
私にとってフランス語がしんどいからそう感じるのかもしれないけれど、ちょっと言い回しがくどいし、確かにこどもが読んでもピンと来ないかもしれません。
これは大人のための本とも言えると思います。
私の記憶では、たぶん中学生の高校受験のころに、これを読んで、そして泣いたのを覚えています。号泣って感じだった。
何に感動したかというと、たぶん、きつねが言った「とてもシンプルなことだけど、心でしか本当に見ることってできないんだよ。大切なことは目には見えない。」という言葉とか、その周辺をめぐる「大切なことは何か」という純粋な気持ちにだと思います。
当時は自分がそうだとは思っていませんでしたが、こどもからおとなになる端境期にいろいろ混乱を感じていたのかもしれません。
そして、考えてみると、この価値観というか、視点、あり方は、生涯をかけて私の中に、あるべき姿として根を下ろし、いつも感動をもって繰り返し現れているような気がします。
私ははやく大人になりたいと思ったことはなく、そういう意味では生き物としてなにか欠陥があるのでしょう。
ただ成長することに成功できていないだけかもしれませんし、そしてもちろん自分がこどもの心を今もずっと持っているピュアな人間なのだというつもりもありませんが、でも一番の幸福を感じるときというのはこどもの時に夢中になって遊んでいた、その集中力を取り戻すときのように思います。
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