エリザベートコンクール 2022 セミファイナル 1日目 第2部 リサイタル

《Oleksiy Shadrin (Ukraine, °1993》

DAAN JANSSENS Wie aus der Ferne

ALFRED SCHNITTKE Sonate n. 1 op. 129

GABRIEL FAURÉ Elégie op. 24

BOHUSLAV MARTINŮ Variations sur un Thème de Rossini H 290

ウクライナ人。

エリザベートコンクールでは、今回のロシアのウクライナ侵攻に対して、音楽は別という立場に立つことを表明していて、ウクライナ人もロシア人も出場しています。素晴らしいことだと思います。

新曲からスタートしました。この人は体も大きくダイナミックな演奏。

続いてのシュニトケも超現代曲。ひとつひとつの音によって情景が描かれていく。面白い。

シュニトケってロシア人(ロシアに住むドイツ系ユダヤ人)なんですね。弾く人からも曲からもすごくロシア的なものを感じます。

すみません、ここではロシアとウクライナの区別はしていませんが。

素晴らしい演奏だった。

そして、次は超有名なフォーレのエレジー。エレジーは哀歌。やはりどうしても今のウクライナの爆撃を受けている街の人のことを考えたりしてしまうかもしれないですね。

これだけ上手で音量もある人が本気で弾くとこんなになるのだというような演奏。もちろん弾き終わった後の拍手は政治的なものではないと考えます。

次のマルチヌー、こんな曲があるの知りませんでした。もしくは忘れてました。

テクニカルなパッセージの後のロングトーンがたっぷりと美しい。

あっぱれ。いい演奏でした。

《Constantin Heise Allemagne, °2001》

ALBERTO GINASTERA Pampeana n°2 op. 21

DAAN JANSSENS Wie aus der Ferne

DMITRY SHOSTAKOVICH Sonate en ré mineur op. 40

HANS BOTTERMUND - JÁNOS STARKER Variations sur un thème de Paganini

早朝に目が覚めてiPadをつけてみたらちょうどショスタコービチが終わるところでした。ピアニストとそでに下がって、また舞台に出て、いかにもアンコールのようにしてひとりで弾き出した無伴奏のBOTTERMUND Variations sur un thème de Paganiniは、寸分の狂いもない精緻でスピード感もある圧巻の演奏。

弾き始める前にすごく緊張してるように見えるのは、いい意味での緊張を作り出しているのかもしれない。チェロを弾いているというより、ヴァイオリンの超絶技巧の曲を聞かせてもらっているように正確で軽々と進める。若いからできるとも言えるのかもしれない。

技術がアートになっているような演奏だった。

録画で聴き返した最初のヒナステラも、無駄のない音で展開する。無駄のない音ってどういうことなんだろう。エネルギーが全部ちゃんと音に使われているというイメージかな。

若いけどすごい実力だと思います。

新曲も音がきっちり出てるから、とても面白く聴けた。

あまりに上手で精密機械みたいでちょっとなーと感じてたけど、だんだん、この人のこと好きになってきました。

1次予選で怖かった日本人のピアニスト(タカイユキエさん)の硬めの音も好きです。

ショスタコービチのピアノ、とてもよかったです。

チェロももちろん。

彼はピアニッシモがまた上手。蚊のような音が出せる。

楽しませてもらいました。ありがとう。

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