2023.12.31 11:57津軽海峡冬景色石川さゆりの津軽海峡冬景色、改めて感動しました。歌もいいし、彼女自身も素晴らしい。心からの歌、年取っても綺麗な人ってすごいと思いました。結局、上手いということも大事だけど、本気の演奏が惹きつける。生き方が出るというか。そして、このころの歌謡曲の歌詞は詩になっている。詩になっているというのは、情景が浮かび、その情景によって情感が湧き上がるということか。今こういう歌詞が出てこないのは、すでに出し尽くしてしまったからなのか、日本人がそういう詩心に関心を失ったからなのか。今の忙しい歌たちもそれはそれで素晴らしいけど、こういう歌も存在し続けていいのではないかと思う。(今の歌の歌詞はとにかく『頑張って生きましょう』みたいな直接的なものが多すぎて、説教くさい。)やっ...
2023.11.19 12:51グールドとモンク今も考えは変わりません。2014年11月19日グールドが好きな友達にセロニアス・モンクを紹介した。すごく正しいことをしたと思っています。このトンネルによってクラシックとジャズの行き来が行われている。誰もが通るわけではないけど、そこを通る人は暗闇の中でお互いに静かに頷く感じ。
2023.11.12 11:26ラヴェル ピアノトリオ皆さん、コロナが緩んでいろいろ旅行に行かれて楽しまれているようで、良かったです。私も昨日ラヴェルのピアノトリオを全楽章弾かせていただいてとても印象深い旅が終わった気分です。大変だったけど、一緒に弾いてくださったお二人と気持ちよく練習、本番ができて幸せでした。とても感謝しています。ラヴェルのピアノトリオ、ま、とにかく大変でした。トリオ以上の曲でこんなにうちで1人でも練習したのは初めてだったと思います。お話はずっと前にあったのですが、いろいろあって9月始めの初合わせの2週間前から泣きながら譜読み。他パートの陰符いっぱいのパート譜でしたが、それでも全然わからない。5拍子、7拍子、そしてパートによって拍子が違うのの組み合わせ。苦手なピチカートとトリルてんこ盛り...
2023.01.21 14:41Bill Evans / The Two Lonely People今朝のFMから流れてきて、思わずそのピアノのひとつひとつの音を耳が追った曲。Bill Evans / The Two Lonely Peopleたくさん音楽が流れている中で、こういう音を久しく聴いてなかったように思いました。(というか、私が音楽に耳を傾けていなかったのか。)タッチとか、間合いとか、軽さとか、強さとか、跳ね方とか、エモーションとか、ちょうどのところで語り進めてくれる。久しぶりに1つの曲を何度も聴いた。
2022.08.27 11:26dim7フェルナン・クノップフ(Fernand Khnopff)の「ブルージュの思い出」という絵の絵葉書をベルギーの友達が送ってくれました。私はこのベルギーの画家の絵が好きです。あんまり知られてないかもしれない。ブリュッセルの美術館に行って初めて知りました。この絵はそんなに有名でないけど、半獣の絵とか、テニスのとか、「ああ、この人か」と見れば思われるかもしれないです。どこが好きかというと、うつろな空気感、明るくは無いけれど、重苦しい暗さもない。澄んでいて、翳りの中に品格があり、そして魅力的な光がある。なんか浮いている感じ。この絵を見て、昨日初めて、減七和音(ディミニッシュ・セブンス・コード)ってこんな感じかなと思った。チェロの練習しながら、この減7ってどんな感...
2022.05.21 15:45エリザベートコンクール 2022 セミファイナル 本日終了エリザベートコンクール、今日でセミファイナルは終了。全員聴いているわけじゃないし、コンチェルトかリサイタルしか聴いていない人もいるけど、私が好きな人たちです。入賞予想とかじゃなくて、あくまで私の好きな人。Yibai Chen中国 Anouchka Hack ドイツ Constantin Heise ドイツStéphanie Huang ベルギー Woochan Jeong 韓国 Min Ji Kim 韓国 Petar Pejčić セルビアSimon Tetzlaff ドイツ Oleksiy Shadrin ウクライナ.ありがとうございました。また、最後のコンチェルトも聴かせてほしいです。
2022.05.21 15:14エリザベートコンクール 2022 セミファイナル 最終日 第1部 コンチェルト《Sul Yoon Corée, °1995》ハイドンの2番とてもいい演奏だった。1楽章、私のこの曲のイメージ通りの、美しく、そして哀しいD dur。D dur って、色でいうと青。 そして、白鳥はかなしからずや… が連鎖的に思い浮かぶ。ロマンチック過ぎず、古典の小気味よさがあって、時に少しワイルドに。カデンツァはちょっと重く長過ぎかなと感じましたけど。《Yibai Chen(Chine (Rép. pop.), °2001)》ハイドンの1番1楽章のトゥッティも弾いてる!この人そういえば、リサイタルのときもピアニストに対する配慮がすごく感じられた。アンサンブルのマインドが伝わってくる。ソロが始まる。最初から全開でその気にさせる演奏。少年のような真剣でい...
2022.05.21 15:00エリザベートコンクール 2022 セミファイナル 3日目 第1部 リサイタル《Simon Tetzlaff (Allemagne, °1997)》EINOJUHANI RAUTAVAARA 2 Préludes et FuguesCLAUDE DEBUSSY Sonate en ré mineurDAAN JANSSENS Wie aus der FerneLUDWIG VAN BEETHOVEN Sonate n. 4 en ut majeur op. 102/1この人の音、好きです。すごく特徴があるというか、こういう声の人なんだって言うような音で、弾いている表情とか姿とかは変化が少ないけど、音楽はすごく雄弁。おしゃべりではないけど、言いたいことははっきり言っていますという感じ。そして、何よりも聴いていて疲れない。静かに喋っ...
2022.05.20 15:02エリザベートコンクール 2022 セミファイナル 5日目 第1部 コンチェルト《Anouchka Hack (Allemagne, °1996》ハイドンの2番1楽章はいろいろ音の工夫があって、それが感じよく働いて、可愛くチャーミングなイメージに仕上がっていて、興味深い。カデンツァもジャンドロンでないもので、オリジナルだろうか、綺麗だった。2楽章も音が澄んできれいでカデンツァも良かったです。3楽章は落ち着いた丁寧な演奏で逆に新鮮な感じがした。いい。《Min Ji Kim (Corée, °1995)》リサイタルで、あ、変わり者だと思ったMinj Ji Kimさんも2番。彼女の乾いたほっそりした鋭い音で、歌心いっぱいのハイドンを聴かせてもらいました。高音の伸びが美しい。1楽章のカデンツァはちょっと重たすぎたかな。