今日のような雨、ほっそりとしてサワサワとした音の雨が降ると、針のような雨、柔らかい針の雨と思う。
そのイメージは自分のオリジナルではないのはわかっていたけど、その原典が何なのか、たぶん文学じゃないかとは思ったけれど、全く思い出せていなかったし、思い出そうともしなかった。
それほど私の中にすでにずっと住っているものとも言える。
それを今更探す必要もないと思いつつ、インターネットでこれほど簡単に見つかることに罪悪感も抱きつつ、見つけました。
くれなゐの二尺伸びたる薔薇の芽の針やはらかに春雨のふる 正岡子規
あまりにも美しいその歌は、どこでいつ知ったかなどということも固有名詞も忘れ去られてなお、そのエッセンスだけが私の中に残っていたのだということに感動しました。
本当に美しいものは無名になると、そう思いました。
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