《Sul Yoon Corée, °1995》
FELIX MENDELSSOHN Sonate n. 2 en ré majeur op. 58
DAAN JANSSENS Wie aus der Ferne
CLAUDE DEBUSSY Sonate en ré mineur
CLAUDE DEBUSSY Minstrels (Préludes I)
裾の短めの黒いロングスカート袖なしのキラキラのブラウス、なんか慣れないおしゃれをした発表会の女の子のような姿で現れた彼女ですが、メンデルスゾーンを弾き始めたら、堂々と逞しい大きな音楽を描きました。
韓国はすごいですね。いろんなキャラクターの人がいる。セミファイナリスト24人のうち5名が韓国、次いで多いのがドイツで3名、あとはオランダと合衆国が2名ずつで、あとの国は1名なのでダントツに多いと言ってよい。
この人はドビュッシーもがっつり力強く響かせる。ピアニストはあのきっちり弾くドイツの若者のと同じタカイユキエさんでその強いピアノの音とよく合っている。
ふわっとしたドビュッシーではないけれど、響きが大きいので、楽しめる。
ただちょっとクレッシェンドの押しがいつもおんなじ感じで乗り物酔いのような感じがしてきてしまうかな。私の体調のせいだろうか。ほんとにこういうことは自分のせいなのか、演奏のせいなのかはよくわからない。
《Yibai Chen (Chine (Rép. pop.), °2001)》
GYÖRGY LIGETI Sonate pour violoncelle seul
DAAN JANSSENS Wie aus der Ferne
FRYDERYK CHOPIN Sonate en sol mineur op. 65
この人はやっぱり好き。ひとつひとつの音が美しく魅力的で、それらが繋がっていく。
情熱的なというより、ロマンチックな音、リゲティの2楽章でさえ、ロマンチックだ。ロマンチックとは「現実を離れ、情緒的で甘美なさま。」。なるほど。近いかもしれない。
新曲はチェロの音ではないような、電気的なノイズのような音をだす。そしてそれらが心地よい音なのだ。そう、ロマンチックな、というのは、ノイズのような音でも、不協和音でも、心地よい、甘美だということを言いたくなるようなものなのかもしれない。すごい。やっぱりこの人は本当に聴かせる演奏、その気にさせてくれる演奏をする人だ。
そして、ショパン。最初の語りだしから、もう絶好調。ピアノのフォルテを覆い尽くすようなチェロの音量。それでいて押す音ではなく、あくまで深く、ロマンチックだ。
そして、畳み掛けがすごい。
なんか、そしてやっぱり男っぽい。 息が長くて、音楽が大きく溢れ出る。
ピアニストとのアンサンブルもいい。
ハイドンのコンチェルトも楽しみにしています。
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