2020.08.21 06:11世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」/ 山口 周この題名からすでに想像できる感じの内容なので、「そうなのかー!!」というような驚きは特にありませんが、読みながらいろいろと考えて面白かったです。経営の意思決定が、「アート」(美意識、直観)、「サイエンス」(体系的な分析、評価)と「クラフト」(過去の経験や知識)の3つの要素からなされる。この場合、「サイエンス」と「クラフト」についてはきちんと説明することができるけれど、「アート」については説明ができない。そこで、議論を戦わせる場合や説明責任を負う時に「アート」はすごく弱くなってしまう。けれど、論理的に納得ができる「サイエンス」と「クラフト」のみに頼ってしまうと、結局、現状にスピードとコスト削減を加える苦しい戦いになるだけで、差別化もできず、経営の飛躍は望...
2020.08.11 13:55平野啓一郎「マチネの終わりに」「ある男」を初めて読んでから平野啓一郎が気になって、図書館に予約をしていたのですが、映画が公開されたりして人気だったのかやっと回ってきて読みました。男女の物語ではあるけれど、恋愛というより、読み終わってもう一度読み返した序文にあったこの言葉がぴったりだと思いました。「魂の呼応」知的にも芸術的にも倫理的にも世界トップクラスの精神 - 魂 - を持つ、孤高のふたりが出会って、確信的な交信をしてしまった。そのことは、決定的に「忘れ得ぬ」ものになった。ふたりはそれぞれ、優れた論理・推察力でその現象についてきちんと理解して、自分の気持ちを整理しようとするけれど、「忘れ得ぬ」ものは、忘れられない。結婚するとかしないとか、偶然のいたずら、嫉妬・別の愛の形による行為が...