2020.07.24 06:13ランスへの帰郷 Retour à Reimsこの美しい表紙の本を初めて手にしたのは、例の隣の駅の近くの小さな本屋さんでした。「売れてほしい本のコーナー」(以前に書きましたが、この本屋さんではミシェル・フーコーの著作など一般的には到底売れそうにない本がこのコーナーに並んでいます)のさらに、本の表紙をこちら向きに縦における木製のラックがあって、そこにありました。題名に何となく覚えがあった(それはこのノスタルジックな白黒写真のせいで起こった私の勘違いなのか、それとも新刊なのでどこかの書評で知っていたのか不明)気もして、みすず書房の装丁はすっきりしていて好きだけど、これはその中でも美しく感じられ、手に取ったのです。著者のディディエ・エリボンという人は全く知りませんでしたが、フーコーなどのフランス思想家の...