エリザベートコンクール2022 チェロ 第1次予選 3日目

《Bryan Chengさん(Canada, °1997)》

この人のイザイから聴き始めました。ドーンとしていてずるんと伸びているような印象があって、色が一つだけみたいな感じだななんて思ったのですが、ヒンデミットが始まって驚きました。前に2回、誰かが弾いたのを聴いたのですが、前に書いたように、この曲、ピアノとチェロが音が合っているのかなんかわからない感じで難しそうだなあという印象があったのですが、曲が始まった第1音からちゃんとハマっている感じで、あれ?これあのヒンデミットだよねぇと思いました。もちろん同じ曲なのだけど、何ていうか、ある意味強引に「こうなんでーす。」と弾かれると、全然違和感なく、「そうなんだ」と思ってしまうというか。それで、その後も、なるほどー、こういう曲なんだとすごく納得して、いい曲だなあと思ったのでした。そういえば私が弾いたことのある唯一のヒンデミット(クラリネット五重奏)もこんな強引な感じがよかったんだよなと。この人ボッケリーニ弾いたらどうなるのか、興味あります。あとで録画で聞いてみたいです。

《Sam Lucasさん Australie, °1996》

ヤナーチェクの最初のピチカートからして、あ、こんな風にピチカートの音出すの面白いなと思ったら、その後のアルコ(弓でこする方)も、音が変わっている。チェロってこんな音だったけ?というような、多彩な魅力がある音だ。イザイもみんなとかなり違った感じに聞こえます。オーストラリアって、そう言ったら失礼だけどちょっと田舎っていうかそういう風に思っちゃうけど、そういうところからすごいニューウェーブが起こるのかなと思いました。アルゲリチだってアルゼンチンですからね。当然、彼のボッケリーニは楽しい!ほんとチェロというより、金管みたいな音がする。そういえばプロフィール写真も面白いな。さっきの、Bryan Chengさんもそうだったけど、終わったら客席からブラボーの声。

そう、去年のピアノの時は無観客だったけど、今回はお客様いっぱい、しかもマスク無し。

《YeongKwang Leeさん、Corée, °1995》

この人はちっちゃくて小学生みたいにかわいらしい。なんか、今日は変わり者ばっかり続くのか。イザイもしっかりとした形でよかったです。ヤナーチェクもすごい集中力で小さい体でぐいぐいその世界に弾きこんで行きます。ヤナーチェクってみんなけっこうこういう音で弾いていたのかな。Sam Lucasさんと同様、音が聴きなれた楽音とは違う感じで、それが面白い。韓国人ってやっぱり集中力がすごいですね。弦だとチョンキョンファのことをいつも思ってしまいます。

この人たぶんかなり小さくて、そしてエンドピンがかなり短くて、まず座ってるのみると上手そうに見えないのだけど、すごいんだな。いや、立ったらそんなに体は小さくないか、エンドピンが短いのをボッケリーニで伸ばしたか。つまり、エンドピン短いのはヤナーチェク用だったか。

弓の毛、いっぱい切れてる。私も重音弾くといっぱい切れるのですが、勇気づけられます。(たぶん私のはただ切れるだけ)

すごく力強い(もちろん乱暴ではない)ボッケリーニ。ぎゅっと密度があって光る感じ。

前半の部の、前半終了。いつまで続くのか不明の休憩に入りました。ベルギーの音楽会の休憩ってたぶん30分くらい平気でとっていた気がします。

3人とも面白かった!!

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